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フィボナッチ・マスター #3 TellMeWhy?なぜだれも「フィボナッチ」の引き方を教えてくれないのか?
フィボナッチ・マスター #2 なぜだれも「フィボナッチ」を使わないのか?
フィボナッチ・マスター #1 トレーダーに必須の知識「フィボナッチ」の本質を知る
なぜ数学を学ぶのでしょうか? 本質的には3つの理由があります 計算するため 応用するため そして 発想するためです 発想に時間をかけないのは 残念なことですが・・・ 数学とはパターンの科学です ここから論理的 批判的 創造的な 考え方を学べるのです 一方 学校で習う数学は 効果的に意欲を 高めているとは言えません 数学を勉強する理由を 生徒がたずねても 数学を勉強する理由を 生徒がたずねても 授業で いつか使うからとか テストに出るからと 言われることも多いのです でも 時々でいいから 面白くて美しくて ワクワクするから 数学を学ぶという 機会がもてたら 素敵だと思いませんか でも そんな機会の作り方が わからないという 声も聞きます そこで私のお気に入りの数から ちょっとした例を挙げましょう フィボナッチ数です (拍手) ここにもフィボナッチ・ ファンがいますね 素晴らしい この数列はいろいろな角度から 楽しむことができます 計算の面では わかりやすい数列です 1足す 1は 2で 1足す 2で 3 — 2足す 3で 5 3足す 5で 8と 続きます 「フィボナッチ」の本名は ピサのレオナルドです 彼の著書『算盤の書』で この数列が紹介されました 現在使われる計算方法は この本を通して 西洋世界に伝わりました 応用の点から言うと フィボナッチ数は 自然界にあふれています 花びらの数は普通 — フィボナッチ数です ひまわりの花や パイナップルに見られる らせんの数も フィボナッチ数が多いです この数は さらに いろいろなものに見出せます ただ最も想像力を かき立てられるのは この数列の美しい規則性です お気に入りを一つ紹介します 平方数は 皆さん お好きですよね(笑) フィボナッチ数の最初のいくつかを それぞれ 2乗してみましょう 1の 2乗は 1 — 2の 2乗は 4 3の 2乗は 9 — 5の 2乗は 25と続きます さて 連続するフィボナッチ数を 加えると次の数を得ることが できますよね そういう作り方ですから でも 2乗した数 同士を 加えても何も 起こらないと思うでしょう でも ご覧ください 1 + 1 = 2 — 1 + 4 = 5 — 4 + 9 = 13 — 9 + 25 = 34 になり このパターンが続くのです 実は もう一つあります フィボナッチ数を2乗したものを 最初から足していってみましょう どうなるでしょうか 1 + 1 + 4 = 6 です これに 9を加えると 15になります 25を加えると 40に 64を加えると 104になります 出てきた数を調べましょう フィボナッチ数には なっていませんが よく見ると フィボナッチ数が 隠れていますよ わかりますか? ご覧に入れましょう 6 = 2 x 3 15 = 3 x 5 — 40 = 5 x 8 です 2 3 5 8 ・・・ わかりますか? (笑) フィボナッチ数ですよね さて こんな規則性を 見つけるのは面白いですが なぜそうなるかを理解すれば さらに楽しくなります 一番下の方程式を見てください なぜ 1 1 2 3 5 8 の平方数を足すと 8 x 13 になるのでしょうか 簡単な図で示します 1 x 1 の正方形から始めて 隣に 1 x 1 の正方形を置きます 合わせると 1 x 2 の 長方形ができます その下に 2 x 2 の正方形 — 隣に 3 x 3 の正方形を置き また下に 5 x 5 の正方形 — 隣に 8 x 8 の正方形を置くと 大きな長方形が出来ます さて 簡単な質問をしましょう 長方形の面積は? 一つのやり方は 面積は正方形の面積の 合計ですね そう作ったのですから 1の2乗プラス 1の2乗プラス 2の2乗プラス 3の2乗プラス — 5の2乗プラス 8の2乗ですよね これが面積です 一方 これは長方形ですから 面積は たて x よこ です たては 8ですね よこは 5 + 8 なので 次のフィナボッチ数である 13です だから面積は 8 x 13 です 面積を2種類の方法で 計算できました 結果はお互いに同じなので 1 1 2 3 5 8 の平方数を足すと 8 x 13 になると言えるのです さて このプロセスを続けると 13 x 21や 21 x 34といった長方形を 作り続けることができます では今度は 13を 8で割ってみると 1.625になります 大きい方の数を 小さい方の数で割ると その結果は次第に およそ 1.618に近づいていきます この数こそ「黄金比」と 呼ばれる比率です 多くの数学者 科学者 芸術家達を 何世紀もの間 魅了してきた数です 今回 この題材を取り上げた理由は 数学の大半がそうであるように 美しい部分があるからです ただ学校で このような美は あまり注目されません 計算の仕方は 長い期間をかけて学びますが 実際に応用することを 忘れてはいけません とりわけ重要なのは 考え方を学ぶ時に 数学を応用することです 一言でまとめるとすれば こうなるでしょう 「数学とは xの解を 求めるだけでなく 理由 “why” を 解明する学問である」 どうもありがとうございました (拍手)